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水面下の活躍


29。




 サッカーはぜんぜん詳しくないので、これはおそらくなのですが・・・
「(これはどう考えてもおかしいよなぁ・・・)」
 僕の周りに3人も相手チームが張り付いています。そんな異様な状況で、試合は続いていきます。
 ホイッスルが鳴り、前半戦終了。
 僕はサッカー部の顧問の権田原先生のところまで集まります。
「相手さんは強豪校だがなぁ・・・そこの助っ人くんが3人も引っ張ってくれて、しかも長距離シュート警戒でかなり下がり気味になってるってのに、前半0ー0は情けねぇ。後半はガンガン攻めて点取りに行くぞ!」
「「「押忍!」」」
「今日は剛、活躍してねぇからな。哲郎も!それから新入り・・・えぇと、ツボミか。お前ら3人、攻めの起点なんだから、怖がらずに行けよ!」
「「「押忍!」」」
「そんじゃ、行ってこい!!」
 先生の激励に背中を押され、僕たちはコートへと舞い戻ります。敵チームはすでに位置について待機しています。
 そして僕が配置につくと、すかさず3人の屈強な男たちが群がってきます。なんて暑苦しい光景なのでしょうか。
 なんとなしにそんなことを考えていると、いつの間にか後ろにいたツボミがボソリと話しかけてきました。
「調子はどうかな?」
「・・・調子はともかく、活躍してないよな・・・」
「全体で見れば、この上なく活躍してると思うよ。あの先生も言ってたようにね。でも君の思惑である女の子から黄色い歓声を浴びるというタイプの活躍ではないね」
 なんだかまるで僕がモテたいがために偽善を働いているかのような言い草ですが、あながち間違っていないだけになにも言い返せません。
「とにかく筋力が上がってもボールを操るのは難しいでしょ?だったら、僕が良い感じのボールを出すから、それに合わせてシュートしてよ」
「合わせて・・・って、簡単に言うけどな・・・」
「簡単だよ。さっきから突っ立ってるだけだけど、本気で走ればチーターみたいな速さ出るでしょ?僕が合図したら、そこの3人をぶっちぎってゴールのまん前に向かって走ってね。そんじゃ!」
「あ、おい!」
 言うだけ言うと、ツボミはさっさと自分の場所帰ってしまいました。
「(・・・合図って、どんな合図だろ)」
 結構重要なことを聞き逃した気がしますが、とにかく僕にできることをやらねばなりません。そもそもツボミが僕の活躍を手引きするメリットが無いのですから、失敗すればそれまで、ということでしょう。
「やったろうじゃないか・・・!」
 ホイッスルが響き渡りました。



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