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新小説


38。



 舞浜先輩は思った以上のクソヤロウでした。
 下駄箱で捕まえた彼に事情を聞くと、どうやら彼は車裂さんに一目惚れをして、それを理由に宮代さんに別れを切り出したそうです。しかし断られたため一方的に振って車裂さんに猛アタック。しかし彼女は引っ込み思案で、それを曖昧に断り、しかし諦めきれない舞浜先輩は勝手に付き合っていることにして部内に言い回ったそうです。大人しい彼女はそれで折れるだろうと。しかしそれが原因で車裂さんはいじめられ、それを知った彼はめんどくさくなって、さらに別の、バスケ部の子とこっそり付き合っているそうです。‥‥宮代さんにも内緒で。
「べつにオレのせいじゃねーじゃん。あいつらが勝手にバカやってるだけだろ?なんでオレがそんなメンドクセーことに付き合わなくちゃなんねーんだよ?」
 僕は頭に血が上って体温が急上昇するのを自覚しながら、それでも彼に食いつきます。
「イジメは先輩のせいじゃないですから、イジメを解決しろとは言いません。けど、先輩がついた嘘は先輩のせいです」
 本当はイジメもコイツのせいですが、それは百万歩譲っておきましょう。
「だからぁ、嘘じゃねーって。女の子がいる。オレがコクる。そしたらもう付き合ってることになんだよ」
 僕の背後で理沙子ちゃんが溜め息をつきました。僕も同じ気持ちです。コイツ、本当に話にならない。
「あ、それとも、後ろの女の子たちが俺と付き合うってんなら考えないでもないぜ?こんなつまんねー奴より、オレとイイコトしよーぜー」
「(・・・・・・コイツ‥‥っ!!)」
 高熱がうなされている時のような、意識が何かに浸食されるような感覚。
 景色が色を失っていく中で、僕は拳を握り、左足を大きく踏み出し‥!
 そこで突然、右腕を柔らかい感触が包みました。何かと思えば、それは理沙子ちゃんのむねと腕。
「つまらなくなんかありません。アキくんはとっても、強くて、優しくて‥‥カッコいいんです!」
 呆気にとられる僕と舞浜先輩を置いてけぼりにして、さらに僕の左腕に柔らかな感触。
 ハンナです。
「こんなつまんないやつと話してないで、早く私たちとイイコトしようよ」
 僕は2人に引きずられるようにして下駄箱を後にしました。舞浜先輩は呆然と立ち尽くし、2人の美少女に連れ去られる僕をただ眺めていました。



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