スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小説・イジメ解決編


47。





 もちろん放課後となれば、部活動に準じている生徒がそれに向かうのは必然です。つまり、車裂さんは2ー1にはいなかったということです。
 仕方ないので教室で待機していることにしました。
「よっす、アキりん!最近よく会うね」
「あ、みっちゃん」
 言ってから、疑問に思います。なぜあたしは今、美智子ちゃんのことをみっちゃんと呼んだのでしょうか。これが男女の感覚の違い‥‥?
 まぁ、別にさしたる問題でもないでしょう。
「車裂さんは、部活だよね?」
「そうだよ」
「じゃあ、待ってるしかないかぁ」
 あたしがため息をつくと、教室の後ろの扉が開かれました。まさかと思ってあわてて振り向きましたが、それはメグ姐でした。
「ん、アキか。また車裂の件か?」
「うん、今日は本格的に説得しようと思ってるんだ」
「説得?」
「本人が明確に反抗しないと、あたし達がなにやっても焼け石に水なんだよ」
 ふぅん、と素っ気なく頷いて、メグ姐は近くの机にドカッと腰を下ろしました。
 あたしは重い気分で、
「でも、本当に説得なんかできるのかはわからないんだけどね‥‥」
「弱気だな」
「だって、喋ったことどころか、会ったこともないんだもん」
 それなのにあたしは、彼女にいったいなんて言えばいいのでしょうか。
「でもでも、アキりんと車裂さんって、なんか似てる気がするんだよね」
「‥‥そうなの?」
 そういえばツボミもそんなようなことを言っていた気がします。
「とにかく、当たって砕けようよ!」
「砕けたらダメだろ‥‥」
 メグ姐のツッコミは冷静です。
 なんだか元気というか、やる気というか、そんなものがあふれてくるようか気がしました。くよくよ失敗を恐れていても始まりません。砕けるつもりは毛頭ありませんが、覚悟を決めて取り組むことにします!
 と、その時。
 教室の後ろから扉の開く音が。目をやれば、そこには折れたラケットを持って目を伏せる少女が。
 前髪がややかかり気味な瞳は深い色で、じっと見つめていると吸い込まれそうな気持ちに陥るような、そんな表情がありました。肩甲骨の少し下くらいまでであろう髪はポニーテールに結ばれているものの、ところどころが不自然に乱れていることが見て取れます。背は低めで胸は控えめ、しかし顔立ちは端正で、目を引く造形であることは間違い無さそうです。なるほど掃除ロッカーで聞いた話と合致します。
 彼女が、車裂さん。
 あたしは小さく深呼吸して、彼女との接近をはかるのでした。


スポンサーサイト

テーマ : オリジナル小説 - ジャンル : 小説・文学

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。