スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小説・vs銀字・3


59。


「谷原のこととなると、ほんと周りが見えなくなるのな、お前」
「う・・・・うるさいナ・・・・」
 翌日のこと。僕こと高橋明仁は、剛と昼休みを共に過ごしていました。
 校庭の端っこ、木陰でグラウンドを眺めながら・・・・否、“監視”しながら言葉を交し合っているのです。
「取り越し苦労だったかもな」
「まあ、そこまで単純な連中でもなかったってことでしょ。ボコられたから翌日もちょっかいかけるなんて、それこそチンピラだよ」
「まさしくチンピラって感じだろ、3組の奴らって」
 ・・・・そうですけども。
「なんにせよ、油断はできねぇよ」
「剛、お前がこういうのにノリ気なのは珍しくないか?イジメだってんならともかく、ただのケンカの延長だろ?」
「アホか。こういうのはエスカレートしていくんだ。そして負けたほうは、募ったストレスをいつか、どこかに、ぶつける。それを心配してんだよ」
 まぁ、そうかもしれません。そしてイジメなんかを発見した日には・・・・。剛の前でイジメが発見されようものならば、3秒後には2足歩行ができなくされてしまうことでしょう。
 しばらくすると昼休み終了のチャイムが鳴り響きました。
 僕と剛は他愛ないこと(「猫を被るってどういうことなんだ?」「化けの皮が剥がれるとも言うね」「化け猫の皮ってわけか」)を話しつつ教室へたどり着きました。
 そして、絶句。
 震度6くらいの地震でもあったのかと疑ってしまうほどの荒れっぷり。机や椅子はなぎ倒され、中の教科書やノートが散乱している惨状の中で、複数の男子生徒が横たわっていました。見れば、昨日の騒ぎに参加していたヤツら。
 弾かれるように駆け出した剛が、横たわった男子生徒を抱き起こして揺すります。
「おい!大丈夫か!?」
「・・・・ぅ」
 僕は教室の隅で震えている女子生徒に駆け寄ることにしました。
「一体、なにがあったの?」
「・・・・さ、3組の男子がいきなり押しかけてきて・・・・」
「・・・・!!」
 やはりというか、なんというか・・・・
 報復。
 ここで退けば、被害を抑えることができるのかもしれない。しかし、今後舐められて、さらにひどい被害を被る可能性も捨てがたい。
「明仁」
 剛が、決心めいた瞳で僕を見てきます。
「ここはまかせた」
 それだけ言い残すと、確固たる足取りで教室を後にする彼。どうやら3組に向かうようです。
 僕も援護に向かいたいところではあります。なぜなら、この騒動の引き金は僕のドロップキック・・・・という見かたもあるからです。しかし僕は、ここをまかされました。まかされたら、援護に向かえません。そしたら剛が負かされるかもしれません。
 僕は教室の端っこの方にいた男子を見つけて、
「ここはまかせた」
 と言って剛を追いかけました。まかされたものは、まかせたので、心残りはありません。
 今にも3組へ飛び込みそうな剛の背中に追いつくと、剛は「お前・・・・相変わらずムチャクチャだな」とあきれ果てているようでした。
 しかし、すがすがしいまでの、笑顔。
 勇者である剛と、魔物扱いの僕は、3組に踏み込みました。
 狙いは1人。3組リーダー・迎井 銀字(むかい ぎんのじ)。



スポンサーサイト

テーマ : オリジナル小説 - ジャンル : 小説・文学

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。