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番外個体「あなたってホント気持ち悪いよねー」一方通行「・・・うるせェな」グスン

これは一日で書かれた、「とある魔術の禁書目録」の、一方通行×番外個体の二次創作SSです。番外通行です。

ふんだんにキャラ崩壊しているかもなので、そこんとこ注意です。

それから、ロシア編までを見ていない方はさっぱりかもしれないので注意です!(「番外個体」がわかんなければアウト)

あと1話完結のSSだけど、無駄に長いです!

では4649!








番外個体「あなたってホント気持ち悪いよねー」 一方通行「・・・うるせェな」グスン








番外個体「あなたってホント気持ち悪いよねー」

一方通行「うるせェな」

番外個体「いやもう気持ち悪いって言葉で言い表すことが不可能な範囲じゃないかなー。あなたのためだけに新しく言葉を作ったほうがいいんじゃないかってレベル?」

一方通行「じゃ勝手に作ればいいだろォが。オレは風呂に入るからな」

番外個体「え~、あなたの後に入るなんて反吐が出そうなんだけど。怖気が走るって言うかぁ、そういうとこが特に気持ち悪いって自覚した方が良いよ?」

一方通行「じゃァ先に入れ」

番外個体「でもでも、一番風呂って早死にって言うから、特別にあなたに譲ってあげるね☆ゆっくり浸かってくるといいよー、永遠に」

一方通行「・・・はいはい」ガチャ、バタン

打ち止め「あ、ミサカも~ってミサカはミサカはあとを追いかけてみる!」

番外個体「ダメだよ。あの人ロリコンだから」

打ち止め「えぇ~!?」




一方通行「・・・グスン」


・・・・・・


最近、番外個体の毒舌具合がどんどんエスカレートしていっているような気がしてならない。逐一それに反応していたらこちらの体力が到底保ちそうも無いので、スルーしているわけだが、だからといって一方通行の心が傷つかないわけではないのだ。

一方通行は一度も番外個体に対して毒舌をやめるように言ったことはないのだが、しかし一方通行は毎度毎度毒舌を聞くたびに耳をふさいでやめてくれと叫びたくなる。けれどそんなことを口に出そうものなら、

「え~超ウケる~、じゃあ可哀想だからあなたに直接言う悪口はやめてあげるね☆その代わり人づてに散々苛め抜いてあげる」

とか言い出すに決まっている。むしろ直接言う悪口を露骨に増やしてくるかもしれないし、どっちも激増するかもしれない。

とにかくこのままでは一方通行が番外個体に泣き顔を見られるのも時間の問題である。

打ち止めの教育上問題があるので、一方通行にだけ毒舌なわけだから一方通行が家を出て行ければそれが手っ取り早いのだが、けれど一方通行は暗部の仕事を辞めた身。黄泉川に世話になりっぱなしなので、家を出て行くこともできない。

手詰まりだった。


・・・・・・


『うわっ、気持ち悪ぃー!アイツ髪の毛白いぜ!』

『ほんとだ~しかも目が赤いし!人間じゃねーよ絶対!』

『根暗だしな。アイツに近づくと怪我するし、疫病神だな』

・・・やめてよ、ボクはただみんなと遊びたいだけで・・・気持ち悪くなんか・・・

『うわ、こっち来た!逃げろ、殺されるぞ!』

『あっち行け、バケモノ!お前なんか生まれてこなければよかったんだ!』

・・・バケモノ?

・・・バケモノなんかじゃ・・・

・・・ボクはバケモノなんかじゃ・・・

『そこの少年!おとなしく両手を挙げてこちらに来なさい!これ以上被害を拡大させる気かね!!』

・・・ボクは何もしてないじゃないか。だって、そっちが勝手に撃ってきて、勝手に傷ついて・・・

・・・あれ、どうしてボクは、こんな能力を持って生まれてきたんだろう・・・?

・・・これじゃ、まるで・・・

・・・バケモノ


・・・・・・


一方通行「・・・・・・」パチ

打ち止め「じー・・・」

一方通行「あン?何してンだクソガキ?」

打ち止め「大丈夫?すっごいうなされてたよってミサカはミサカはあなたを心配してみる」

一方通行「・・・なンでもねェよ」

番外個体「あーいい湯だった。あ、間違えた、最悪の湯だった」

一方通行「・・・」

番外個体「あれ、ちょっとちょっと、ソファで寝ないでよね。もしかしてミサカの温もりで寝てたの~?気持ちわる~い」

一方通行「ピク・・・」

『気持ち悪ぃ~!』

番外個体「もう安心してソファにも座れやしないね。あ~あ」

一方通行「さァて、そろそろ寝るとすっかな」

番外個体「・・・・・・。ギャハ、なんならワーストたんの温もりが忘れられないあなたのために、一緒に寝てあげよっか?」

一方通行「なンだァ?その歳でまだ1人で寝れねェのかよ?」

番外個体「は、はぁ!?」

一方通行「あァ、まだ0歳だったか。ほら、一緒に寝てほしかったらついてこいよ」

番外個体「ふ、ふざけないでよね!誰があなたみたいな白もやしと!死ねっ!!」

一方通行「へいへい、おやすみさン」

打ち止め「おやすみ~って言いつつミサカはミサカはあなたについてってみる!」

一方通行「はァいベクトル変換~。お姉さンなンだからオマエは1人で寝ろ」

打ち止め「うぅ~」

番外個体「ミサカの方が肉体的にお姉さんなんだけど?」

一方通行「おやすみィ」バタン

番外個体「・・・」


・・・・・・


一方通行は考える。どうして急に番外個体の毒舌で心が傷つくようになったのだろうかと。

その原因は2つほど判明している。

1つは、打ち止めとの出会いによって自分に守るべき大切な存在というものが出来たことに起因する。というのも、今までにもスキルアウトに口汚い言葉を浴びせかけられた経験なんて掃いて捨てるほどある。しかしそれはどうでもいい存在からの罵倒であって、一方通行だって内心ではそいつらのことを口汚く罵っていた。だからまったくもって彼の心が揺らぐことはなかったのだ。

だがロシアでの共闘、そして第三次製造計画という生い立ちから番外個体を守るべき大切な存在と定めていた一方通行は、彼女に次第に心を許しつつあったのだ。それが突然、なにがあったのか心当たりはないのだが、彼女の罵倒がある時を境にして一段と増加し始めたのだ。

そして2つめ。それは、彼女、番外個体がミサカネットワークから悪意を抽出しやすい性質であること。つまり、彼女が一方通行にキツくあたるということは、それだけミサカネットワーク内の悪意が膨れ上がっているという証拠。悪意のような負の感情を感じてはいてもそれを表に出す機構がない約10000人のクローン達のそういった感情はすべて番外個体に集結し、そして一方通行にぶつけられる。

つまり番外個体がぶつけてくる悪意というのは間違いなく全ミサカが共有している感情なのだ。それだけ自分は憎まれている。その悪意はしっかり自分が受け止めなくてはならない。どれだけキツくあたられようが、一方通行は耐えなければならない。それが贖罪の一部なのだ。急に一方通行に対する攻撃性が上がったということは、なんらかの形でミサカネットワーク内に一方通行に対して怒りだとか憎しみだとかの感情が蔓延しているということになる。

番外個体の一つ一つ罵りの言葉は、全ミサカ共通の言葉。全ミサカとは当然、打ち止めのことも含まれる。

ではどうすれば今の事態を打開できるのか。それは適当なミサカを捕まえて、どうしてミサカネットワーク内で一方通行に対する悪意が高まっているのかを聞き出して、その原因を摘み取る・・・これしかない。

翌朝目が覚めた一方通行は早速、ミサカを探しに街へ繰り出した。


・・・・・・


ミサカ「それで、ミサカのもとを訪れたというわけですか、とミサカは一方通行に奢ってもらったクレープを手にして納得します」

一方通行「クソ、さりげなくタカりやがって・・・」

ミサカ「そうケチケチするものではありません、とミサカは相当な財力を持つはずの第一位にため息をつきます」

一方通行「いや、だから今は金なンて・・・まァいいか。で、どォなンだ?」

ミサカ「それはいいのですが、しかしどうして上位個体に聞かなかったのですか?とミサカはわざわざ同居している上位個体ではなくクレープを奢ってまでミサカを選んだあなたの行動に疑問を抱きます」

一方通行「あのガキのことだ、変に気を回すに違いねェ。「ほんとは妹達はあなたを憎んでなんかいないんだよ」とか言い始めるかもしれねェからな。それにアイツには余計な心配をかけさせたくねェからよ・・・」

ミサカ「そうですか、相変わらずの親御さんぶりのようで安心しました」

一方通行「あァン!!?」

ミサカ「しかし上位個体ではありませんが、ミサカにも検討がつきません、とミサカは正直な感想を述べてみます」

一方通行「あン?ンなわけ・・・」

ミサカ「ここしばらくミサカネットワーク内であなたに関しての話題が出たことは一度もないのです。もちろん、番外個体すら一方通行に関する発言をしたことはありません」

一方通行「・・・どういうことだ?いや、それなら改めてオレに対しての憎しみが湧き上がってきているってことか」

ミサカ「いえ、そんなことはありえません、とミサカはミサカたちを代表して異を唱えます」

一方通行「番外個体が言ってたぜ、オマエらはオレに対して憎しみが無いわけじゃねェ、それを認識したり表現したりする機構がねェからこうやって普通に話に付き合ったりできるンだと。なら無意識に憎しみが募ってることも十分にあり得るだろうが」

ミサカ「しかし、いまさら番外個体が口汚くなるほどの憎しみが・・・」

一方通行「そりゃ約10000・・・いや、9969人・・・プラス2人からちょっとずつ憎しみを募れば、顕著になるってもンだろ」

ミサカ「・・・そう、でしょうか・・・?」

一方通行「チッ、なら手っ取り早く解決ってわけにもいかねェか。地道にやってくしか、よ」

ミサカ「・・・どうして嬉しそうなのですか?とミサカは生き生きとした表情の一方通行を見上げて首を傾げます」

一方通行「あン?そンな顔してたか?」

ミサカ「はい、なんだか充実感のようなものを感じているような顔でした、とミサカは感じたままに報告します」

一方通行「・・・なンつーかよ、なンもねェのにオレに対して憎しみを抱くってことは、オマエらの自我が強くなってってるっつーことなのかと思ってよ」

ミサカ「・・・自我」

一方通行「あァ、個性とも言えるか。けどなンとかしねェと番外個体が受け取る悪意も増えてくしよ、頼む、協力してくれねェか?10032号。いや、御坂妹か?」

ミサカ「・・・!?どうして・・・とミサカは驚愕を隠し切れず尋ねます」

一方通行「そのネックレス、三下が買ってやったヤツなンだろ?クソガキがそれを聞いてオレにもなンか買えってうるさくってよ・・・違ったか?」

ミサカ「・・・いえ。それより、さきほどの件ですが、お任せください。とミサカは成長真っ盛りの胸を張ります」

一方通行「成長・・・?」

ミサカ「・・・」

一方通行「・・・。いや、なンでもねェ(目が怖ェ・・・)」

ミサカ「ミサカが一方通行と対戦したミサカだとわかって声をかけたのですか?」

一方通行「・・・まァな。一番憎ンでるはずだと思ってよ。気を遣わずに本当のことを教えてくれると踏ンだンだ」

ミサカ「・・・・・・今、あなたのことを憎んでいる個体なんてそうはいないとミサカは思うのですが、とミサカはもう一度事実を告げます」

一方通行「まァ、なンにせよ頼ンだぜ。これで番外個体の負担も減るだろ」

ミサカ「優しいのですね」

一方通行「バッ・・・バッカじゃねェのかオマエ!?妹達には1人残らず借りを返すって決めてっからあの生意気なガキを・・・!」

ミサカ「はいはいわかりました、とミサカは上位個体と番外個体には内緒にしてやるから顔を赤くするなとため息をつきます」

一方通行「くっ・・・頼ンだからな!!」


・・・・・・


その夜。

打ち止め「あれれ、今日はミサカネットワークであなたのことが大人気ってミサカはミサカは驚いてみる」

一方通行「ハッ、珍しいこともあるもンだ」

打ち止め「わっすごーい!あなたってば妹達全員にバレンタインにチョコを上げるって約束したの!?わーい!ってミサカはミサカはおおはしゃぎ!」

一方通行「・・・まァな。(あンのクソガキィィィィィ!!!)」ビキビキ

黄泉川「へぇ、珍しいこともあるもんじゃん」

芳川「本当ね。そのお金はどこから出てくるのかしら?」

黄泉川「こら、桔梗。水を差すんじゃないじゃんよ!」

打ち止め「楽しみにしてるからねってミサカはミサカは気分屋さんのあなたに釘を刺してみたり!」

一方通行「はいはい」

番外個体「ただいまー」

黄泉川「おかえりじゃんよ。っていうかこんな時間までどこ行ってた?」

番外個体「どこでもいいじゃーん。レベル4のミサカに危ないことなんてないって」

黄泉川「危ないことしてるかを心配してるじゃんよ」

番外個体「大丈夫大丈夫。あれ、あなたも帰ってたんだ」

一方通行「こンな時間に帰ってないわけねェだろ」

番外個体「ふーん、今日こそどこぞで野垂れ死んでると思ったのになー、残念」

一方通行「そォかい。帰ってきたならメシ食ってクソして寝ろ」

番外個体「あなたの顔見てたら食欲なくなっちゃった。ギャハ、あなたって見てるだけでダイエット効果あるよねぇ」

一方通行「じゃ、そろそろ寝るわ」スタスタ、バタン

番外個体「・・・」

黄泉川「今日もやけに早いじゃん」

打ち止め「番外個体がイヤなこと言うからだよってミサカはミサカは抗議してみる!」

番外個体「は?こんなのスキンシップだっつーの」

芳川「愛情表現とも言うわね」

番外個体「はぁ?意味わかんないよ、あんな気持ち悪いロリコン白もやし死ねばいいと常々思ってるくらいだし」

黄泉川「それにしても、最近はずいぶんと口が悪いじゃん?ケンカでもしたのか?」

番外個体「べっつにー?これがミサカのアンデンティティってだけだよ。そんなことよりミサカ、お風呂入ってこよっと」

黄泉川「晩御飯はどうするじゃん?」

番外個体「だから、あのツラ見てたら食欲無くなったってば。いらない。明日食べるよ」スタスタ、バタン

芳川「・・・どうしちゃったのかしら?一方通行に対しての悪意が増加しているのかしら?」

打ち止め「そんなことないはずだよってミサカはミサカは主張してみる。さっきも言ったとおり、あの人の株はうなぎ登りだから・・・」

黄泉川「じゃあ、どうしたじゃんよ、あの子・・・それに一方通行のヤツも」


・・・・・・


打ち止めの話を信じる限りでは、一方通行に対しての悪意は薄まっているはずである。いやもしかしたら一方通行なんかからチョコをもらいたくないということなのかもしれないが、それ以外にも10032号は手を打っているはず。これで悪意の量が変わらないとすれば、どうしようもない。何が原因なのか一方通行にはまったくもってわからない。

番外個体に恨まれるようなことをした覚えはないし、ケンカなんてもちろんしていない。

いったいなにが番外個体をああいった言動に突き動かすのだろうか。



それは番外個体に芽生えたある感情に発端があるのだった。


・・・・・・


その感情に気が付いたのは、ほんの些細なきっかけだった。

いつも軽々しくも馴れ馴れしくスキンシップをとっていた番外個体は、その日もソファに座ってテレビをつまらなそうに見ている一方通行を後ろから抱きしめた。いつもなら適当に「邪魔だガキ」とか言って体を前に傾けて抱きつきから逃れようとするところを、その日はいきなり、抱きつかれたまま顔を上に向けて番外個体の方を見たのだ。

番外個体「ちょ、え?」

一方通行「あァ、オマエか」

その時、かなり密着して後ろから腕を回していた番外個体の胸に、一方通行の後頭部が「むにゅぅ」と接触した。しかも、顔がかなり近い。吐息がかかるレベルだ。

番外個体はあわてて一方通行を突き飛ばし、「なにすンだ!」と怒鳴り散らす彼を無視して自分の部屋にさっさと引っ込んだ。

理由は簡単、単純にして明快。

番外個体「(び、びっくりしたぁ~!)」カァァ

今までまったく意識していなかった一方通行の顔を、突然あんなに近くで見てしまい、なぜかまぶたの裏に焼きついて離れなかった。

そして。

番外個体「(す、すっごいドキドキしてる・・・そ、そりゃそうだよ、だってびっくりしたんだもん。そりゃ心拍くらい・・・)」

胸の高鳴りを無理矢理押し殺してベッドに体を投げ出した。が、しばらくしてもまったく収まる気配は無い。ベッドから降り、本でも読んで気を紛らわそうと机に向かうと、そこに置いてあった小さな鏡を見てさらに心臓が高鳴った。そこに写った番外個体の顔は、りんごのように真っ赤になっていたのだ。どうりでさきほどから顔が熱いと・・・

番外個体「(待って、どうしてびっくりしただけでこんなに顔が真っ赤に・・・!?これじゃ、まるで・・・)」

これじゃまるで、上条当麻と一緒にいるときの、ダメダメなお姉様のような・・・

番外個体「(ってないないない!ありえないって!だってお姉様がああなってるのって、あのヒーローさんのことが、す、好、・・・!!)」

それ以来、番外個体は一方通行の目をまともに見ることが出来なくなっていた。


・・・・・・


番外個体「あなたってホント気持ち悪いよねー」

とにかく、絶対にそんな感情を一方通行に読み取られてはいけない。そんなことがあったら恥ずかしすぎて死んてしまうだろう。だから敢えてそういった感情を押し殺して、厳しい言葉を叩きつけなければいけない。そうしなければ、自分は・・・

一方通行「ハイハイそォですねェ」

しかしこんなことを続けていたせいで、一方通行の方もまともに相手をしてくれなくなっていた。それはそれで一方通行が番外個体に寄せる関心を遠のける効果があるのでいいのだが、しかしどうして素っ気無くされただけで、こんなにも胸が痛むだろうか。これでは本当に・・・

番外個体「いやもう気持ち悪いって言葉で言い表すことが不可能な範囲じゃないかなー。あなたのためだけに新しく言葉を作ったほうがいいんじゃないかってレベル?」

まさしく今自分の感情がぐるぐる渦巻いていて混乱しており、こんな感情を表す便利な新しい言葉が欲しいところだった。

一方通行「じゃ勝手に作ればいいだろォが。オレは風呂に入るからな」

風呂?・・・風呂!?今まで意識したことは無かったが、それって一方通行が全身を浸して汗を流したお湯に包まれるということか!?・・・と番外個体は軽くパニックに陥る。そして変な想像のせいで赤くなりそうな顔をどうにか誤魔化しつつ、一方通行より早くお風呂に入らなくてはと決心した。

番外個体「え~、あなたの後に入るなんて反吐が出そうなんだけど。怖気が走るって言うかぁ、そういうとこが特に気持ち悪いって自覚した方が良いよ?」

一方通行「じゃァ先に入れ」

そう言われて、しまった、と番外個体は考える。別にそれでもいいのだが、いいのだがっ、どうして自分はこんなに残念な気持ちになっているのか。

そしてついつい口がすべる。

番外個体「でもでも、一番風呂って早死にって言うから、特別にあなたに譲ってあげるね☆ゆっくり浸かってくるといいよー、永遠に」

一方通行「・・・はいはい」ガチャ、バタン

番外個体「(ほ、ほんとに行っちゃった・・・!じゃ、じゃあ次に入るミサカは、あの人の、その、汗とか、ああ、もう!ミサカは何を考えて・・・!!)」

打ち止め「あ、ミサカも~ってミサカはミサカはあとを追いかけてみる!」

番外個体「(・・・ッ!!)」

それは、ダメだ。そんなことを許せば、番外個体の今の謎の興奮は半減してしまう。それを許すわけにはいかない。

番外個体「ダメだよ。あの人ロリコンだから」

打ち止め「えぇ~!?」

そう言っても打ち止めはしばらくグズったが、結局黄泉川と入るように説得して、番外個体は一方通行と入れ替わりに湯船に浸かった。一方通行が入っている途中にいきなり風呂場に突入してもよかったが、それは今の自分がやると自滅してしまいかねない危険な賭けなのでやめておいた。

番外個体「(ど、どうしよう。今ミサカってば、あの人に包まれてる・・・っていうか浸かってる・・・って!!違う!ミサカはそんな変態じみたこと考えてなんか・・・!あぁ、もうミサカは一体どうしちゃったの!?)」


・・・・・・


番外個体「あーいい湯だった。あ、間違えた、最悪の湯だった」

うっかり本音が漏れてしまった。いや、いい湯ではなかったかもしれない。いろいろな意味で心臓バクバクだったし、なんだか味わったことの無い妙な気分になったりもした。悪い気分では、なかったけど。

一方通行「・・・」

一方通行はとてもめんどくさそうな視線を番外個体に送ってくる。それによって番外個体が地味に傷ついていると、彼が横になると頭がくる場所は、自分が風呂に入るまで座っていた場所だということに気が付いてしまった。入れ違いだったので一方通行は知るはずも無いのだが、黙っていると顔が赤くなってしまいそうなので指摘することにした。

番外個体「あれ、ちょっとちょっと、ソファで寝ないでよね。もしかしてミサカの温もりで寝てたの~?気持ちわる~い」

一方通行「ピク・・・」

そこで一方通行はあからさまに表情を強張らせた。何を考えていたのか、どの単語に反応したのかは番外個体にわかるはずもないが・・・

番外個体「もう安心してソファにも座れやしないね。あ~あ」

一方通行「さァて、そろそろ寝るとすっかな」

最近の一方通行はいつもこうだ。番外個体と一緒の空間から1秒でも早く脱しようとする。番外個体からしたらその方がいいはずだが、なぜか心臓が締め付けられるように痛むのだ。

番外個体「・・・・・・。ギャハ、なんならワーストたんの温もりが忘れられないあなたのために、一緒に寝てあげよっか?」

一方通行「なンだァ?その歳でまだ1人で寝れねェのかよ?」

番外個体「は、はぁ!?」

ここで珍しく一方通行が反撃してきた。しかし番外個体が動揺したのはそこだけではなく、まるで「じゃあ一緒に寝てやろうか」とも取れる発言をされたことに動揺したのだ。番外個体は必死に心臓の高鳴りを抑え付けるように努力した。

一方通行「あァ、まだ0歳だったか。ほら、一緒に寝てほしかったら着いてこいよ」

正直、半歩前に進んでしまった。無意識だった。一方通行は気づかなかっただろうが、それでも無意識で彼について行こうとしてしまった自分に、かなりの衝撃を受けた。そしてそれを誤魔化すために激昂したふりをする。

番外個体「ふ、ふざけないでよね!誰があなたみたいな白もやしと!死ねっ!!」

一方通行「へいへい、おやすみさン」

しかしあっさり流されてしまう。やはり番外個体に対して、最近やけに冷たいのは気のせいではないだろう。

打ち止め「おやすみ~って言いつつミサカはミサカはあなたについてってみる!」

番外個体「(!!)」ギョッ

一方通行「はァいベクトル変換~。お姉さンなンだからオマエは1人で寝ろ」

打ち止め「うぅ~」

番外個体「(・・・)」ホッ

安心してしまった自分に嫌気が差しつつ、一方通行に子ども扱いされるのは我慢ならずに食って掛かる。

番外個体「ミサカの方が肉体的にお姉さんなんだけど?」

一方通行「おやすみィ」バタン

番外個体「・・・」

やはり、一方通行はそれをスルーしてさっさと部屋に引っ込んでしまった。

番外個体「(・・・もしかして、いやもしかしなくってもミサカってば嫌われてる?)」

客観的に見て、自分がなにか一方通行に好かれるようなことをやったかと考えてみれば、それは皆無。というか、もし同じことをやられたら殺しているかもしれない。

しかし、悪意から成り悪意を成す、そんな設計の下に造られた自分が誰かに自分をアピールするとなると、それは罵倒であり暴力であり嫌がらせである。つまり、悪意しかないのだ。


・・・・・・


番外個体「ただいまー」

黄泉川「おかえりじゃんよ。っていうかこんな時間までどこ行ってた?」

言えない。そこら辺を歩いてたミサカ10032号に、悪意に拠らない好意の示し方をレクチャーしてもらって、さんざん悩みに悩みまくった挙句、彼のためにコーヒーを1本買ってきてあげたなんて、言えるわけが無い。天才チンパンジーでも缶コーヒー1本買うのに半日以上もかかりはしないだろう。

番外個体「どこでもいいじゃーん。レベル4のミサカに危ないことなんてないって」

黄泉川「危ないことしてるかを心配してるじゃんよ」

なるほどそれは心配されるべきかもしれない、と番外個体は我ながら思った。

そして、ふとこちらを見ている一方通行と目が合ってしまい、それによる動揺を誤魔化すために突っかかることにした。もしかしたら話の流れでコーヒーを渡せるかもしれない。いや、でもみんなの前ではちょっとイヤかも。いいや、とにかく突っかかろう。

番外個体「大丈夫大丈夫。あれ、あなたも帰ってたんだ」

一方通行「こンな時間に帰ってないわけねェだろ」

番外個体「ふーん、今日こそどこぞで野垂れ死んでると思ったのになー、残念」

というか、朝早くからどこかに出かけていきやがって。どこに行ってたんだろうかとずっと番外個体は気になっていた。今まではそんなことどうでもよかったのに、最近になってなぜか気になってしまう。一方通行がいつどこでだれとなにをしているか、無性に考えてしまう自分がいる。そしてそのたびに胸が締め付けられるのだ。

一方通行「そォかい。帰ってきたならメシ食ってクソして寝ろ」

番外個体「あなたの顔見てたら食欲なくなっちゃった。ギャハ、あなたって見てるだけでダイエット効果あるよねぇ」

食欲がなくなるというのは本当だ。食事どころじゃなくなってしまうし、ここのところなぜか食事がのどを通らない。どうしてだろうか。

一方通行「じゃ、そろそろ寝るわ」スタスタ、バタン

番外個体「(ちょっと!コーヒーが・・・!!)」

しかし本当に寝るつもりらしく、それっきり扉が開かれる気配は無い。

番外個体「・・・」

黄泉川「今日もやけに早いじゃん」

打ち止め「番外個体がイヤなこと言うからだよってミサカはミサカは抗議してみる!」

番外個体「は?こんなのスキンシップだっつーの」

しかしそう言いつつも、自覚しているところはあった。自分が突っかかるようになってから一方通行の就寝時間はとんでもなく早くなった。その癖起きてくるのは昼ごろだったり、あるいは番外個体が起きていない時間に出かけてそれっきりだったり、避けられているようにしか思えない。

芳川「愛情表現とも言うわね」

芳川の突然の言葉に、番外個体は心臓が一気に高鳴るのを感じた。もしかしたら服越しでも心臓の鼓動がわかるくらい、バクバクいっている。・・・そんな、そんなことが・・・一方通行を殺すために製造されたクローンが、その一方通行を好きになってしまうなんて、そんなことが・・・

番外個体「はぁ?意味わかんないよ、あんな気持ち悪いロリコン白もやし死ねばいいと常々思ってるくらいだし」

黄泉川「それにしても、最近はずいぶんと口が悪いじゃん?ケンカでもしたのか?」

ケンカなんてできるわけがない。だって、一方通行が番外個体に対して怒るなんてことあるはずが無いのだから。どれだけ罵ってもどれだけ痛めつけても、一方通行が怒ることはない。ただ鬱陶しそうな顔をして、どこかに行ってしまうのだ。

番外個体「べっつにー?これがミサカのアンデンティティってだけだよ。そんなことよりミサカ、お風呂入ってこよっと」

黄泉川「晩御飯はどうするじゃん?」

番外個体「だから、あのツラ見てたら食欲無くなったってば。いらない。明日食べるよ」スタスタ、バタン

服を脱ぐ前に、湯船を確認してみた。どう考えても、昨日と比べて明らかに湯船の水かさが減っている。ということは一方通行だけが入ったということはないわけである。

番外個体「(なんだ、ちぇっ・・・)」

気分を落ち込ませながら服を脱いで、ハッと我に返る。

番外個体「(いやいやいや!なんであの人以外に湯船に入った人がいるから落ち込むの!?意味わかんないよ!!ああもうミサカってば本格的にどうしちゃったのぉぉぉ!!?)」


・・・・・・


一方通行は確信した。どうして番外個体が自分にちょっかいをかけてくるのかについてである。

ずばり、ミサカネットワークから悪意を抽出しているのではなく、番外個体本人が一方通行に対して悪意を抱いているのだ、と。

ミサカネットワーク内の一方通行への株が大幅に上昇したことはそれとなく打ち止めから聞いている。しかし番外個体のその後の行動を見ていても、明らかに悪意が落ち着いたようには見えない。むしろ悪化しているのではなかろうか。ならばミサカネットワークとはまったく関係なく、個人的に番外個体が一方通行を憎んでいる、というのが理論的ではなかろうか。

一方通行「(それなら、解決は簡単だ。最善手がある)」

一方通行がこれ以上苦しむことも無く、番外個体が一方通行に対して苛立ちを募らせることも無く、打ち止めに教育上よろしくない発言を聞かせることも無くなる、最善手が。


・・・・・・


それでも最後に、番外個体の気持ちを確かめておくつもりで彼女と話をすることにした一方通行。

黄泉川と芳川は珍しく2人で出かけており、本当なら打ち止めもいない方が望ましかったが・・・またとないチャンスであったため贅沢は言えず、打ち止め、番外個体がリビングに集まっているタイミングで一方通行は話を始めた。

一方通行「おいガキ」

打ち止め「?」

一方通行「いや、オマエじゃねェ。そっちのガキだ、番外個体」

番外個体「ガキって呼ぶのやめてくれないかにゃーん?童貞くん」

一方通行「そりゃ悪かったな。ところで聞きたいことがあンだがよ、オマエ最近ミサカネットワークから悪意を抽出してンのか?」

番外個体「はぁ?当ったり前じゃん。そういう風に造られてるっつーの」

一方通行「なら最近のオマエの言動が目に余るのも、それが原因ってわけか」

番外個体「・・・・・・。もちろんだよ」

打ち止め「嘘はダメだよってミサカはミサカは釘を刺してみる」

番外個体「・・・・・・なに言ってるのか、ミサカわかんないんですけど?」

打ち止め「元々悪意なんてそんなにあったわけじゃないけど、最近は輪をかけてなりを潜めてるでしょ?」

番外個体「・・・・・・」

一方通行「なら、オマエはどォしてオレに今まで以上に突っかかるンだ?オレの記憶する限り、オマエをそこまで怒らせるようなことをした覚えはないンだが」

番外個体「・・・わかんないよ、あなたには。人間同士じゃないんだから」

一方通行「あァン?どういう意味だ」

番外個体「ミサカたち人間じゃないし」

一方通行「・・・オマエ、それ本気で言ってンだったら、マジでぶン殴るぞ」ガタッ

番外個体「ッ、じゃああなたが人間じゃないんじゃないの!?学園都市最強の『バケモノ』なんだからさぁ!!ギャハハ!」





一方通行「」プツン




一方通行「」スッ

番外個体「ひっ!」ビクッ

打ち止め「一方通行!!」

一方通行「」スタスタ、バタン

番外個体「・・・?」

打ち止め「・・・?」


・・・・・・


黄泉川『長点上機学園に入学する?突然どうしたじゃんよ?っていうかもう入学してなかったか?』

一方通行「書類上はな・・・。どうしたもこうしたもねェし、突然でもねェよ。前々から考えてたンだ。席だけ取っといて通わねェのももったいねェ。オレなら奨学金なンてたンまり貰えるし、あそこは寮を無償で貸してくれるらしィしな。あンまり黄泉川におンぶに抱っこじゃカッコがつかねぇからよ、そろそろ切り出そうと考えてたンだ」

黄泉川『つまりウチから出てくってことじゃん?』

一方通行「ま、そうなるな。つっても週末にはなるべく帰るし、ちょくちょく電話するから今までとそンなに変わンねェとは思うがな」

黄泉川『いや、変わんないってことはないじゃんよ。それは打ち止めと番外個体には話したのか?』

一方通行「打ち止めは多分グズるだろォから、家を出る前の日の夜にでも話す。番外個体は口が軽いから、アイツもその時に」

黄泉川『なにかあったじゃんよ?番外個体と・・・』

一方通行「勘ぐり過ぎだっつの。オレの門出を祝っちゃくンねェのかよ。確かに最近のアイツは様子が変だが、それも一過性のもンだろ。すぐに収まるに決まってる」

黄泉川『・・・別にあたしはお前らを養うのを負担に思ったことはないじゃん・・・桔梗は除いて。だからあたしに気を遣って、お前が出てく決意をしたんだったらそれは・・・』

一方通行「違ェよ。それはついでだ、ついで。オレなりに変わろうとしてンだよ。そォだな、ついでに風紀委員でもやってみるのもイイかもな」

黄泉川『それはいい考えだと思うしあたしも大いに賛成したいところだけど・・・・・・お前がいきなりこういうこと言い出す時は、決まってお前が1人で問題抱えて突っ走ろうって時と決まってるじゃんよ』

一方通行「クカカ、信用ねェな」

黄泉川『そう言うな。帰ったらみんなで話し合おうじゃん。・・・家族みんなで』

一方通行「・・・おォ。わァったよ」

黄泉川「ところで気のせいだとは思うんだけど・・・・・・まさかお前、泣いてないよな?」

一方通行「ンなわけねェだろ。もう切るぜ」

黄泉川「ああ、8時までには帰るじゃん」


・・・・・・


打ち止め「・・・・・・あの人、部屋から出てこないねってミサカはミサカは発端である妹に呼びかけてみたり」

番外個体「誰かと電話してるみたいだね。邪魔してやろうか」

打ち止め「やめたほうがいいよ・・・あの人結局何もしなかったけど、すごい怒ってたってミサカはミサカは瞳孔が開ききったあの人のマジギレ顔を思い出してゾッとしてみる」

番外個体「どうせミサカたちの前で能力なんて使えないんだから、怒るに怒れなかったに決まってるよ。ギャハ!」

打ち止め「・・・あの人が出て行くとか言い出したら、全力で謝ってねってミサカはミサカは先手必勝で釘を刺してみる」

番外個体「それこそ無理でしょ。ぼっちのあの人に行くアテなんてないし、お金もないし」


・・・・・・


番外個体「こ、ここを出て行く・・・!?」

一方通行「そォ言ってンだろ。ま、世話になったな。・・・いや、オマエには世話になってねェな」

打ち止め「・・・番外個体」

番外個体「で、でも・・・」

黄泉川「とりあえず建前は自分を変えようとしているってことで、ついでに保護者からの金銭的な援助を脱却するってことらしいけど・・・・・・他に理由は無いだろうな?そこの姉妹は心当たりがあるみたいだが」

打ち止め「うん、ってミサカはミサカは正直に答えつつ番外個体を睨んでみる」ジトー

番外個体「うぅ・・・」

黄泉川「ほら、さっさと答えるじゃん。なにがあった?」

一方通行「あのよォ、ガキ共。まさかこのオレが、学園都市第一位のこのオレが、こンな0歳児の言葉でマジギレして家出するようなバカに見えンのか?」

打ち止め「でも」

一方通行「あれは、番外個体の言葉を受けて、コイツが最近気性が荒くなった原因に確信が持てたから、あのタイミングで黄泉川に電話したンだ。その他の言葉に関係はねェ」

芳川「是非聞きたいものね、最近番外個体の気性が荒くなっていた原因とやらを」

一方通行「オレはこの前、その2人とは別の妹達に頼み込ンで、ミサカネットワーク内でオレの悪意が薄まるように情報を流してくれるように頼ンだ。その結果、打ち止めが言うようにその日の夜には既にオレのプラスの噂が流れていた。それなのに、番外個体の態度は一向に変わらねェ。なぜか?それはミサカネットワークに関係ない悪意だったからだ。つまり、番外個体の個人的なオレへの悪意ってわけだ。だよなァ、番外個体?」

番外個体「・・・ぅん、まぁ、そう、なるのかな・・・?」

一方通行「オレは考えた。どうして日に日に番外個体の気性が荒くなっていくのか。だが考えるまでもないことだったンだ。なぜならコイツはオレへの悪意の具現であって、そンなコイツがオレと一緒に住ンでることがそもそも決定的におかしかったンだからな」

芳川「それが製造理由だしね。存在理由ではないけれど」

一方通行「まァな。とはいえこれでハッキリしたことは、オレと番外個体が一緒に住ンでることが間違ってるっつゥことだ。それなら話は簡単だ。オレが出て行けばイイってわけよ」

黄泉川「それが本当の理由ってわけじゃん?」

一方通行「本当も嘘もねェよ。全部本当の理由だし、そこに順位はねェ。誰も困らず誰にもメリットがある手段ってわけだ」

打ち止め「ミサカはやだよ!メリットなんてないし!ってミサカはミサカは主張してみる!」

一方通行「番外個体が落ち着けば、粗暴な言動も減ってオマエの教育上良いとは思うぜ。それに生活費が浮くから、好きな菓子を買ってもらえるかもな」

打ち止め「あなたがいれば、お菓子なんていらないよ!良い子にならなくたっていい!ってミサカはミサカはあなたに飛びついてみる!」ダキッ

一方通行「・・・しょうがねェンだ。これが一番冴えたやり方なンだよ。週末には顔を出すからよ。どっか連れてってやるから・・・」

打ち止め「うぅ・・・・・・遊んでくれなくって・・・いいから・・・どこにも連れてかなくて、いいから・・・ってミサカは・・・!」グスッ

一方通行「打ち止め・・・」

黄泉川「番外個体。あんたは異議なしかい?一方通行が家から出て行けば、落ち着くのか?」

番外個体「え、えっと・・・・・・べつに、一方通行が嫌いってわけじゃ、ない・・・と思うんだけど・・・」

一方通行「あァ?今更なに言ってンだオマエ?」

番外個体「い、今更って・・・ミサカはべつに、あなたのこと嫌いなんて言ってないんだけど・・・?」

一方通行「言ってただろォがよ!?毎日毎日!!」

番外個体「そ、それは・・・その・・・」

芳川「なら話してくれるわよね?あなたが最近一方通行にやけに厳しくあたっていたわけを」

番外個体「・・・・・・」

一方通行「どォなンだよ!?」

番外個体「・・・・・・・・・あ~~、もう!・・・ミサカにもわっかんないんだよぉ!こんな感覚になったことないから、どうしていいかわかんないの!!」

一方通行「オマエ、なに言って・・・」

黄泉川「一方通行。あんた、番外個体の部屋で、2人で話してくるじゃん」

一方通行「はァ!?なンで・・・」

黄泉川「いいから!今!すぐに!!」

一方通行「・・・・・・チッ、わっかりましたァ!オラ、いくぞ番外個体!」

番外個体「えっ!?う、うん・・・」


・・・・・・


一方通行「でェ?なンなンだよ、オレにキツくあたってた理由ってのはよ?」

番外個体「・・・・・・・・・」

一方通行「やっぱ、オレが憎いンだろ?」

番外個体「ち、違・・・」

一方通行「違くねェだろォが!10000人以上ぶっ殺して!それが終わったら急に大事なヤツらに囲まれて幸せそうにヘラヘラしてンのを見てイラついたンだろォが!」

番外個体「そんなこと・・・ない・・・」

一方通行「散々殺しまくったこのオレが、ガキ1人守るにあたって被害者面してンのが気に食わなかったンだろ!?」

番外個体「違うってば!ミサカの話を聞いてよ!」

一方通行「・・・・・・なンだよ、言ってみろ」

番外個体「・・・その前に、1つ聞いていい?」

一方通行「・・・あァ」

番外個体「ミサカの言葉で、あなたは傷ついてたの?」

一方通行「・・・なンか関係あンのか、ソレ?」

番外個体「大ありだよ」

一方通行「・・・まァ、ぶっちゃけ、そォだよ。傷ついてた。満足か?オマエの大嫌いな一方通行は、毎日毎日、大層苦しンでたぜ」

番外個体「そんな言い方、やめてよ・・・ごめん・・・」

一方通行「はァ?なンでオマエが謝るンだよ?」

番外個体「あなたは、もっとミサカの言葉なんて適当に聞き流してるんだと思ってたから・・・」

一方通行「・・・・・・どォでもいいヤツの話は、まァそうだな。だがオマエらの話を適当に聞いたことはねェよ」

番外個体「・・・うん。でも、酷い言い方かもしれないけど、あなたはもっとたくさん酷いこと言われて生きてきたんじゃないの?今更ミサカがなに言ったって・・・」

一方通行「ホントに酷い言い方だな」

番外個体「・・・ごめん」シュン

一方通行「・・・・・・・・・言われてきたぜ。それこそ物心ついてからすぐに、散々言われてきた。友達なンて出来たことはねェ。クラスメイトってのはどンなモンなのかがわからねェ。オレに話しかけてくンのは、鉄パイプ引っさげてるような馬鹿な不良と、ニヤニヤして脳味噌弄繰り回すことしか頭にねェ科学者どもだ。白い髪が、赤い瞳が気持ち悪ィ、強力すぎる超能力を見りゃァバケモノだ、あっち行け、近寄ンな。どうして生まれてきたンだ、さっさとくたばれバケモノ、そう言われながらずっと生きてきた」

番外個体「・・・・・・」

一方通行「けどよ、オマエに言われることほどキツイもンはねェ」

番外個体「?」

一方通行「・・・オマエにゃ悪ィけどよ、オレはここに住ンでるヤツらは全員、家族みてェに思ってンだ。だから、どうでもよくねェヤツに言われる悪口ほどキツイもンはねェンだ・・・」

番外個体「・・・一方通行・・・」

一方通行「正直、結構泣いた」

番外個体「う、嘘!?ご、ごめん!」

一方通行「だからなンで謝るンだよ?思惑通りだろォが?」

番外個体「ううん、違う・・・。その、ミサカは、多分、あなたのこと・・・・・・が・・・」

一方通行「?」

番外個体「こんな感覚初めてだし・・・こんな感情インプットされてるのかわかんないけど・・・」

一方通行「あァ」

番外個体「あなたの・・・ことが・・・・・・その、・・・・・・すき・・・かも?」

一方通行「・・・」

番外個体「・・・」

一方通行「ってことは、打ち止めと同じってことか?」

番外個体「違うっつーの!!あれは家族として好きってことでしょ!?もしくは小学生が先生のこと好きになるみたいな、ああいうのでしょ!?ミサカのは・・・!!」

一方通行「オマエのは?」

番外個体「同級生として・・・・・・すきっていうか・・・こ・・・・・・、こい、こい・・・」

一方通行「・・・恋人?」

番外個体「///」ボンッ!!!

一方通行「・・・・・・番外個体?・・・オイ、番外個体!?」


・・・・・・


番外個体「はっ!」

一方通行「よォやくお目覚めかよ」

番外個体「一方通行?・・・ここは、ミサカのベッド・・・・・・ッ!!?ミサカ、どれくらい気絶してた!?」

一方通行「いや、まだ10分くらいしか経ってねェよ」

番外個体「ホッ・・・」

一方通行「で、さっきの話なンだが・・・恋人?」

番外個体「~~~~///」カァァ

一方通行「痛ェよ!叩くンじゃねェ!!」

番外個体「何回も言わなくっていいでしょ!?バッカじゃないの!?」

一方通行「あァ!?っつゥか、オマエがオレのことを、その、・・・好き、だったとして、それがなンであのキツイ態度になンだよ?」

番外個体「だってしょうがないでしょ!?こちとら悪意を表現するっていうコンセプトで設計されてるんだから、好きな相手になにしていいかなんて、わかるわけないじゃん!!」

一方通行「・・・つまり、そォいう感情を表現しよォと暴走した結果、あの毒舌になったっつゥわけか・・・?」

番外個体「///」コクリ

一方通行「・・・アホらし」ハァ

番外個体「ア、アホ・・・!!?」

一方通行「あァ。じつにな」

番外個体「じゃ、じゃあ教えてよ!ミサカ、どうしたらいいの!?」

一方通行「あァン?そりゃ・・・・・・」

番外個体「・・・・・・」ゴクリ

一方通行「・・・・・・わかンねェ」

番外個体「ちょっとぉ!?」

一方通行「あ~・・・けどよォ。芳川が見てた昼ドラで、見たことはあるぜ。恋人がどうすンのか」

番外個体「あぁ、そういえばミサカも。確か、ベッドの上で・・・・・・」

一方通行「あァ、ベッドの上で・・・・・・」

番外個体「///」

一方通行「///」

番外個体「なに言わせようとしてんの!?最低!!」

一方通行「テメェが言い出したンだろォが!!」

番外個体「ミサカは純粋無垢なんだよっ!」

一方通行「誰がだ、誰が!会って一日目で「いろんなところが所が勃っちゃいそう☆」とか言ってたじゃねェか!!」

番外個体「うぐぉぉおおおおお!?お、おのれ人様の黒歴史を土足で・・・!!」

一方通行「じつは何も知らねェくせに下ネタ発してたンかよ?笑っちまうなァ」

番外個体「うぎぎ・・・!・・・そ、それより、ミサカだけ言うなんてズルイと思うんだけどっ!?」

一方通行「あン?何をだよ?」

番外個体「ミサカはあなたのことを恋人的な意味で好きだよ」

一方通行「コイツ、開き直りやがった」

番外個体「じゃあ、あなたはどうなの?ミサカのこと嫌い?好き?どっち?」

一方通行「・・・・・・・・・その聞き方はちっとズリィンじゃねェか?」

番外個体「なら、あなたはミサカのこと好き?それともそうじゃない?」

一方通行「・・・・・・き、だ」

番外個体「はい?」

一方通行「好きだよ!どうでもいいと思ってるヤツに悪く言われて傷つくわけねェだろ!」

番外個体「そ、そっかぁ、へぇ~、そ~なんだぁ。一方通行ってば、ミサカのこと好きなんだぁ」デレデレ

一方通行「くっ、だ、だが好きってだけだ。そンくらいなら友達同士だって言い合うもンだろ!?」

番外個体「友達いないくせに」

一方通行「うぐっ!?」

番外個体「でも、そうだね。一方通行はミサカのことを『どっちかっていうと』好きなんだよね。この家でランキングしたらきっと最下位なんだよね・・・」

一方通行「え?いや・・・」

番外個体「しょせんは同情で助けてやった乱造品・・・か」

一方通行「お、オイ、別にそこまで」

番外個体「じゃあ、黄泉川とか芳川より、ミサカのこと好き!?」

一方通行「・・・・・・ぉ、おォ」

番外個体「打ち止めよりも好き!?」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぉー・・・」

番外個体「・・・」

一方通行「・・・」

番外個体「とりゃ!」ダキヨセッ!

一方通行「うぉ!?お、オイなにすンだ!!か、顔に、当たってンぞ!?」

番外個体「当ててんのよ!」カァァ

一方通行「オマエ、なにやってっかわかってンのか!?ぐっ柔らけェ!!」ムギュゥゥ

番外個体「・・・さっき、言われ慣れてる罵倒の言葉でも、身内に言われると傷つくって言ったよね?」

一方通行「だ、だからなンだよ・・・!?」ムギュゥゥ

番外個体「ならば、言われ慣れてない言葉を、言い慣れてない身内が言ったらどれくらいの破壊力を持つか味わうといいよ!!」

一方通行「ッ!!?」ムギュウウ



番外個体「番外個体は、一方通行のことを、愛してますっ!」///



一方通行「ぐはぁぁぁッッ!!?」

番外個体「どうだっ!?」マッカァァ///

一方通行「さ、三下のそげぶとか天使化以来の衝撃だぜェ・・・・・・ちっとばかし命の危険を感じた・・・ぜ・・・」

番外個体「へ、返事は、くれないの・・・?」

一方通行「・・・・・・本気、なのか?」

番外個体「・・・うん」

一方通行「か、顔が近すぎるンじゃねェの・・・?」ドクン・・・

番外個体「今は・・・あなたが愛してくれてなくても、いいから・・・」ドクン・・・

一方通行「お、オイ・・・番外個体・・・胸を伝って、鼓動が・・・」ドクン・・・

番外個体「一方通行だって、ミサカが腕を回してるんだからね・・・すごい、鼓動」ドクン・・・

一方通行「オマエ、それ以上、顔、近づけたら・・・」ドクン、ドクン

番外個体「い・・・いい、よね?・・・芳川の昼ドラの・・・」ドクン、ドクン

一方通行「番外個体・・・」ドキドキドキ

番外個体「一方通行ぁ・・・」ドキドキドキ




スババァァン!!(扉半壊

打ち止め「ぶびびー!そこまでそこまでー!!ってミサカはミサカは大人の階段を3段飛ばしする2人に待ったをかける!!」

黄泉川「続きはWebで、じゃんよ!!それ以上は許さんぞ2人とも!!」

芳川「あら、これから面白そうだったのに・・・」


一方通行「」

番外個体「」


・・・・・・


黄泉川「まったく、仲が険悪だと思ってちょっと2人っきりにしたらいきなり仲睦まじくなりやがって・・・」

打ち止め「そうだそうだー!ってミサカはミサカは便乗しながらも今度はミサカがあなたと2人っきりになることを希望!!」

芳川「ダメよ打ち止め、彼はケダモノだったのよ。もう一緒にお風呂に入っちゃダメよ?」

一方通行「芳川ァァァァァ!!ガキに妙なこと吹き込むンじゃねェよ!!ケダモノとか、それならまだバケモノの方がマシだァ!!」

番外個体「ううん、あなたはケダモノだよ。イヤだって言ったのに・・・力ずくで抑え付けて・・・ミサカの唇を・・・」

打ち止め「」

芳川「」ハァ・・・

黄泉川「逮捕じゃん」

一方通行「いやいやいやァちょっとみなさンジョークがキツいンじゃないですかねェ!!?見ただろあの体勢!どっちかっつゥとコイツがオレのこと拘束してただろォが!それに力ずくってなンだよ!?コイツがオレに腕力で負けると思うのか!?だからその道端のカピカピの雑誌を見るよォな目でオレを見るンじゃねェェェェェ!!!」

黄泉川「・・・ま、冗談はさておき」

一方通行「いつか殺す・・・必ずだ・・・」ブツブツ

黄泉川「どうだ一方通行。この家を出て行くって話だが・・・『気が変わった』りしてないか?」

一方通行「・・・・・・・・・まァ、な。『気が変わった』みてェだ。・・・オレは、気分屋だからよ」

打ち止め「わーい!ってミサカはミサカは嬉しさのあまり抱きつこうとするけど、すんでのところで芳川の忠告を思い出して踏みとどまってみたりッ・・・!」ジリ・・・

一方通行「踏みとどまンじゃねェ!来い!!」

打ち止め「わーい!」ガバッ

黄泉川「やれやれ、手のかかるガキ共じゃんよ!」

芳川「まったくだわ。その癖働かないんだから困ったものよね」

黄泉川「よぉし桔梗。今の言葉録音したからな?明日から本気出すじゃんよ?」ガチャリ

芳川「来年から本気出す」

黄泉川「何ヶ月充電する気じゃんよォォォ!!」

番外個体「ん」チョイチョイ

一方通行「あン?なン・・・」

番外個体「ちゅっ」

一方通行「」

打ち止め「」

黄泉川「お」

芳川「あら」

打ち止め「な、ななんなnなな、なにしてるのってぇぇぇぇ!!ミサカはミサカはぁぁああ!!」

番外個体「えへ、やっちった☆」

一方通行「」フルフル・・・

番外個体「あれ?感動のあまり泣いちゃった?」ポロポロ

一方通行「・・・ち、ちげェよ!っつゥか、オマエだって泣いてンじゃねェか!」ポロポロ

番外個体「あなたってホント気持ち悪いよねー」

一方通行「・・・うるせェな」グスン





番外個体「あなたってホント気持ち悪いよねー」 一方通行「・・・うるせェな」グスン  ・・・完!

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コメント

やばい。今まで読んだSSの中で一番いい。
番外通行の他の話も書いてほしいです。

コメント返信

恐縮です!
いつかネタが思い浮かんだら投下させていただきたいと思います!

gjです!ぜひ次の作品もよろしくお願いします!!

Re

コメントありがとうございます! がんばります!

すごい胸がキュンとした…w
凄く面白かった!!

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Re

そう言っていただけると幸いです!
今後も勉強させていただきます!

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