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オリジナル短編小説

【僕とご主人様の関係】

初日。




「起きろーーー!!」
「ぐべっへッ!!?」
 僕は突然の強襲によって驚異的な速度での覚醒を果たし、襲撃者の姿を確認しました。
 ・・・いえ、確認するまでもなく、司なのですがね。しかし眠い。かなり眠い。抗いがたい二度寝欲に僕は敗北しそうになっていました。
「ほれ、早く起きんか貴様! せっかくの日曜日なのだぞ? 有意義に私にかまうがよい!」
「えっちに言えたらかまってあげるよー」
「えぇっ!?・・・・・・・・・せ、せっかくの休みだけど休ませないんだからっ! 私で思う存分遊ん・・・」
「さ、朝ごはん朝ごはんっと・・・」
「ってゴルァァァ!!」
 僕が1階に下りると、すでに家族全員が揃っていました。賢治さんは新聞を広げていて、悟くんは携帯ゲーム機で、百ちゃんはテレビ。母さんは僕の朝食を作ってくれていました。
「おはよう」
「あら、おはよう叶。今日は早いのね」
「うん。エロ娘に起こされて」
「こ・・・このヤロウ・・・!!!」
 僕がテーブルに着くと、悟くんと百ちゃんが信じられないものを見るような目で僕を見ました。
「・・・えっと、なに?」
「いえ、その、敬語じゃないんですね」
「え?・・・あぁ、うん。家族で暮らしてた頃のことを思い出したからさ・・・これを機に、敬語は卒業しようと思ったんだけど・・・もしアレなら、直すけど?」
「そ、そんなことないですよっ、おにいちゃん!」
「ええ、いいことだと思いますよ、お兄さん。」
「そうかな。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね」
 僕は朝食のソーセージを口に運ぼうとして、途中で百ちゃんと目が合って、やっぱりソーセージをお皿に戻しました。
「まだ怒ってる?」
「わ、忘れてたんだから蒸し返さないでください!!」
 また怒られてしまいました。
 その様子を見て幸せそうな表情を浮かべる賢治さん。さっきから新聞ではなくて僕らのやりとりを見ているようです。
 そして、母さんの提案でうちに住むことになった司が僕の隣に座りました。その顔はイタズラっぽい子悪魔的な表情。
「それで、叶くん・・・今日は家族でお出かけ? それとも2人でデー・・・」
「も、もちろん家族でお出かけですよね、おにいちゃんっ!」
 司の話に食い気味で言葉を重ねる百ちゃん。2人の間に見えない火花が散ったような気がしました。え、この2人いつの間に仲悪くなったんでしょう?
 しかしデートは昨日もしましたし、司がこの家族に早く馴染むためには、共に時間をすごすことが必要でしょう。
「というわけで、どこかに行けたらと思うんですが、どうでしょう、賢治さん」
「うん。すばらしいと思うよ。是非そうしよう」
 新聞越しに穏やかに言う賢治さんの表情は、とても優しげでした。しかし仕事から帰ったら娘が1人増えていたっていうのにほとんど動じない彼は、一体何者なんでしょうか・・・
 今や僕も、父さんの記憶を取り戻しています。そして記憶の中の父さんと、賢治さんを見ていると、自分もいつかこんな風に父親になる日が来るのだろうか、なんてしみじみ考えてしまうのです。
 もちろんその時僕の隣で微笑んでくれるのは、きっと僕のご主人様なのでしょう。




 了。




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