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エピローグ


「月の下の殺人鬼」【目次】に飛ぶ



 某大型遊園地の入り口で、小林 美沙は、妹と吹奏楽部の仲間の計4人で一緒に、人を待っていた。

「うわー、ひっさしぶりだなぁ遊園地。っていうかごめんねみんな、妹連れてきちゃって。ツッキーに妹連れてきてって言ったら「じゃあ美沙ちゃんも」とか言われちゃって・・・」
「リア充の巣窟に来てしまった・・・」
「アンタ、次そういう発言したら帰らせるから」

 早くも険悪になり始める姉妹を、他のメンバーが苦笑いで諌める。
 するとそこで、

「おまたせー!」

 人の波を掻き分けてこちらへ突き進んでくる影。
 しかし美沙たちは振り返るまでもなくゲンナリした表情になる。

「いや、待ってないんだけど・・・・・・酒井くん」
「まぁまぁそう言わないでくれよ。今日は楽しもうじゃないか」
「っていうか女ばっかりのメンバーに1人飛び込んでくるって、アンタの心臓は鋼なの?」
「男なら1人、いるじゃないか。”彼”が」
「その”彼”は「彼女を泣かせやがって!!」ってアンタを蹴り飛ばした張本人だし、今もアンタが未練たらたらで狙ってる女の子とラブラブなんだけど・・・」
「いやぁ、アレは美しい回し蹴りだったよ。目が人殺しのような目だったがね。しかしおかげで目が覚めて、”彼女”一筋に路線変更したんだからね!」
「目が覚めたんじゃなくて、目覚めたんでしょ。イロイロと。あの子に手を出したら、今度は殺されるわよ」
「それにしても、女友達と遊園地に行くのに彼氏を連れてくるなんて、”彼女”もなかなかいい根性じゃないか」
「え、アンタが言う!?」

 さてそろそろ待ち合わせの時間になるかといった頃合で、今度こそ美沙が待っていた人物の声が聞こえてきた。

「あれ、みんな揃っちゃってるよお姉ちゃん、お義兄さん!」
「もう・・・あなたの支度が遅いから」
「しゃーねーだろっ! 純が自分も連れてけってゴネたんだから!」
「まぁ純ちゃんがこういうところに来れるようになるのはもうちょっと先かもね」
「楽しみだねっ! 2人がはぐれたら探さないから安心してね!」
「・・・」
「・・・」

 騒がしい3人が合流し、8人で遊園地の入り口ゲートをくぐる。


 強い不幸の渦に飲まれて大切なものを失い続けた者も、1つ1つ拾い集めて、今や心の底からの笑顔を見せている。
 一生かかっても手に入らないと諦めていたものが、手の中で輝きを増していく。

 今でも問題は残っているし、これからも否応なく巻き込まれてしまう渦もあるだろう。
 それでも今は幸せだと胸を張って言えるし、彼らの人生は彩りに満ちている。


 そして、勇気を出して踏み出した一歩によって手に入れた、大切な人が隣にいる。


 だから彼らはこれからも、立ち止まらず、踏み外さず、”生きて”いくのだ。




 了。


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まとめteみた.【エピローグ】

 某大型遊園地の入り口で、小林 美沙は、妹と吹奏楽部の仲間の計4人で一緒に、人を待っていた。「うわー、ひっさしぶりだなぁ遊園地。っていうかごめんねみんな、妹連れてきちゃって。ツッキーに妹連れてきてって言ったら「じゃあ美沙ちゃんも」とか言われちゃって・・...

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